【産後クライシスを乗り越える鍵はホルモン】エストロゲンとオキシトシンを味方につけろ

産後クライシスという言葉、よく聞きますよね?

 

厚生労働省の調査により、シングルペアレント世帯の約4割が

子どもが生まれて2年以内に離婚を経験した

という驚くべき事実が発表されています。


(離婚時の末子の年齢)

 

女性、特に産後のママはホルモンの影響を身体面・精神面ともに大きく受けます。

産後クライシスを乗り越え、夫婦仲良く生活を続けるコツはこの「ホルモン」を理解することにあるんです!

 

女性に影響を与えるホルモンの働き

今回、以下の3つのホルモンを紹介します。

妊娠中に重要な2つのホルモン

エストロゲン プロゲステロン
産出場所 卵巣
(及び胎盤)
産出場所 卵巣
(及び胎盤)
作用 子宮内膜の増殖 作用 子宮内膜の分泌促進(着床の容易化)
卵胞の成長促進 妊娠維持
子宮筋の肥大 乳腺の成長促進
乳管の成長促進

これらは妊娠前から、月経や女性らしい身体づくりといった重要な役割を担っていますが、
妊娠中にもその維持をするために働くとても重要なホルモンです。

 

一方、月経前にイライラしたり、情緒不安定なったりといったPMS(月経前症候群)の要因の1つであるともされています(参考)。

妊娠期間中はどんどん分泌量が増えていくこのエストロゲンですが、
その量は人によっては妊娠前の約200倍ほどに達するそうです(参考)。

 

産後重要になる”幸せホルモン”オキシトシン

一方こちらは、男女問わず産出されますが、特に産後の女性に多く分泌されるといわれるホルモンです。

オキシトシン
産出場所 下垂体後葉
作用 乳汁の射出作用
子宮筋の収縮(分娩時や産後)
愛着形成(幸せホルモン)

 

授乳をしたり、産後身体を回復するときに非常に重要であると同時に、

赤ちゃんへの愛着を感じられるようにする役割をもっています。

 

産後はホルモンのジェットコースター

もう一度こちらのグラフを見てみましょう。
産後の女性ホルモンはジェットコースターのように急降下します。

 

あなたはパートナーのPMSの症状についてご存知ですか?

 

その約200倍のホルモン変動が一気に起こる時期、と考えると

産後の女性の情緒が非常に不安定になることは容易に想像できますね。

 

さらに、エストロゲンの減少により 「孤独を感じやすい状態」になると言われています。

これは人類の進化の過程で「共同養育」を選択してきた名残と考えられます。

共同養育…ムレ(コミュニティ)の中で授乳や子守りなどの子育てを集団で行うことで、人類は毎年出産をすることが可能となりました(チンパンジーは5年に1匹しか出産出来ません)

 

産前は仲が良かったのに、パートナーがピリピリしていて…とお感じのアナタ。

それはエストロゲンの減少により、 「孤独やストレス」に対して耐久性が落ちているのが原因のひとつかもしれません。

 

エストロゲン を理解し、オキシトシンを味方につけよ

前述のように、産後のパートナーは必然的に

「孤独感を感じやすくストレスに弱い状態」を強いられています。

 

さらに子宮復古の影響で体もボロボロです。

子宮復古とは、妊娠・分娩によって生じたこれらの変化が、分娩後、徐々に妊娠前の状態に戻ることをいいます。期間はおよそ分娩後6週~8週で、この時期を産褥期といいます。1日数回、茶色の悪露が見られるときも。(参考

 

幸せホルモンのおそろしい裏の顔

子どもが産まれたし、より一層仕事に励む…!のもいいんですが、

この時期のホルモンの働きを理解しておかないと、文字通り一生後悔することになるかもしれません。

 

オキシトシンの働きについては前述しましたが、

実はこの「幸せホルモン」には恐ろしい?裏の作用があります。

オキシトシンはコミュニティ内のメンバーへの愛情を深め、繋がりを強める働きがあります。

サルの毛づくろいで分泌されるとされ、家族をより強固にするために非常に重要です。

 

一方裏を返すと、

 

 コミュニティ外の侵入者を厳しく断絶し、メンバーを危険から守る

働きがあるということです。

さらにオキシトシンが多量に分泌されている際の感情の動きは、
脳の記憶を司る「海馬」と呼ばれる部位と関連付いていることがわかっています。

 

定年後に産後の恨みから熟年離婚を切り出された

 

というケースは、まさにこのオキシトシンの働きによって成された「積年の恨み」ということになります。

 

パートナーがボロボロの体で育児、家事を必死に行なっているときにソファで寝転んでスマホをいじりながら

「メシまだ?」

なんて言おうものなら、「子どもと私」というコミュニティを脅かす外部の認定されること間違いありません。

そして、海馬に強く焼き付けられたその記憶は、未来永劫忘れてもらえません。

オキシトシンを味方につけるポイントは「会話」

オキシトシンが「愛情」を強める方向に働くときは

  • 授乳やセックスなどの身体のスキンシップ
  • 見つめあったり会話したりという心のスキンシップ

をしているとき、とわかっています。

スマホやテレビを見ながら片手間で「ふーん」では会話になりません。

 

パートナーと会話する時間、優しいスキンシップをとる時間、もうけていますか?

 

少しの時間でも構いません。

目を見て、頑張りを労い、疲れを受け止める。

それだけでパートナーはオキシトシンの効果を十分に感じることが出来るでしょう。

 

そうなれば、あなたは「コミュニティの仲間」と脳に刻まれます

これが、「産後いかにパートナーとの関係を重要視すべきか」の理由です。

 

男性からもオキシトシンが出る!味方につけて家族円満

今まではオキシトシンが女性に及ぼす影響について説明してきましたが、

このホルモン、男性にも好影響を与えるということが分かっています。

 

前述のような、赤ちゃんやパートナーとのスキンシップや会話によって、男性の脳からもオキシトシンが分泌され

「幸せ状態♡」

に浸ることが出来るようになります。さらに、あやされている子どもの側からもシンクロするようにオキシトシンが分泌され

父子の絆を深める作用もあるそうです!

(ちなみに、パートナー以外の女性へ魅力を感じにくくなる作用もあります。コレは不貞行為防止に重要)

まとめ

今回、産後の女性を振り回すホルモンの働きについて学んできました。

パートナーを情緒不安定にさせたりイライラさせたり、
夫婦仲を険悪にもさせうるホルモンですが

しっかりと理解し味方につけることで、家庭円満に大いに役立ってくれることと思います。

 

コミュニケーションの時間をしっかりとって、素敵な産後ライフをお過ごしください!

参考文献:ママは悪くない!子育ては“科学の知恵”でラクになる

text:仲村佳奈子(理学療法士、マタニティヨガインストラクター)

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